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「脳の言語地図」読んだ


脳の言語地図 (学びやぶっく)

ペンフィールドの脳地図みたいな話かと思ったがちょっと違った。いやそんなに間違ってないのかな?印象として少し違う感じがしたけど。


この本ではまず1章でヒトと動物との脳の違いを対象部位を用いて説明して、次に2章で具体的な脳の状態の観測方法について触れている。さらに3章で言語について述べている。そこから脳の中で言葉を扱うのに必要である部位の説明をしている。そして日本人が英語の文法問題を解いた時の脳の特定の部位の活動の変化を、2章で出てきたfMRIを使って観測したところ、短期に英語を学習した人と長期に学習した人では活発さと正答率が違うとか、右脳と左脳の非対称性と文法課題の成績が相関があって単語はあまり相関がないという結果が出てきたと書いている。最後の6章で脳に言語変換チップを埋め込んでも翻訳はできないとかロボットを作る際に一番難しいのは言語とか心の部分だとか、さらっと述べている。


本自体は論文っぽい書き方ではなく、インタビュー形式になってるので読みやすい。

個人的には脳に対して入力与えられないんじゃ、果たして脳の活動部位等から特定部位もしくは文法問題が相関しているとは断定しにくいんじゃという気もするんだけど。それとこの部位が発達してるとわかったからといって、それを計算器のアルゴリズムでどう表すかといった所までは落とし込めていない。あとfMRI使ったらうつ病患者の通常の脳の状態とか投薬時の脳の状態もわかるのかもしれないけどそういった調査は行われてるのかなぁ。


それと最後にさらっと書かれてたけど、工学は自由度を減らして正しい解を出すのを目標としていて、人工知能で「感情が豊か」とかそういう方向とは逆なんだよね。まあ何でも出来るものを作ろうとするとすぐ破綻するんだけど、目標と手段を取っ違えてはいけないと思う。